Contemporary Chinese Studies Group

Research Themes

A Comprehensive Study of Contemporary China (6)

Research Outline

現代中国研究班(以下、現中班)は,<冷戦の中の中国>、<改革開放期における政治・経済・社会・文化の変容>をテーマに,東洋文庫所蔵の資料やデータを活用した特色ある研究を展開している。現中班は政治・外交(主査:青山瑠妙),経済(主査:丸川知雄),国際関係・文化(主査:中村元哉)、資料(主査:斯波義信)の四つのグループから構成されており、早稲田大学の青山瑠妙が総括を務めている。

政治・外交グループは,定期的に研究会を開催し,外交と内政のリンケージを軸に,戦後国際政治史と中国の関係ならびに習近平体制の連続性といったテーマについて研究を深めている。また、華東師範大学、国立政治大学、ジョージワシントン大学との研究ネットワークを構築し、ワークショップを開催している。

経済グループは、1960年代~70年代に焦点を当て、暴力や権力闘争の面から語られることの多いこの時代において経済がどのように機能し、どのように変化したのかを明らかにする。新たに入手可能になった資料を駆使し、数量的・理論的な把握を心掛けながら、文化大革命期の現代史を深掘りしたい。

国際関係・文化グループは、引き続き、本機関に所蔵されている史料を中心にデジタル化を進め、中国現代史にかかわる蔵書データベースの構築を目ざす。具体的には、「日本人中国旅行記」「満洲国関係資料(リットン調査団アルバムを含む)」「片倉衷文書」等のデジタル化を目録ないしは解題とセットですすめる予定である。あわせて、個人や団体が所蔵する関連文書、とりわけ改革開放史に関する文書を厳選・収集し、本機関の永続的な発展に貢献したい。さらに、これらの蔵書データベース化作業とこれまでに得られた研究成果を基盤にして、本機関が中国現代史研究の拠点の一つとして機能するように、ハイフレックス型の研究会や国際シンポジウムを企画し、若手研究者を育成しながら、研究データベースの構築にも取り組みたい。

資料グループは、2024-2026年度、東洋文庫所蔵のモリソンコレクション全体を引き続き分析・整理したうえで、関連資料のさらなる渉猟蒐集により、コレクション形成の背景にある人的・知的ネットワークや歴史的・文化的事情の解明をすすめる計画である。より多くの研究者が利用できるよう、内外の公開希望に即応できるデータベースを発展させ、「モリソンパンフレット統合データベース」を2024年度に公開することをめざす。さらに科学研究費など外部資金も導入、情報サイエンスなど最新の技術を活用し、オーストラリアのニューサウスウェールズ州立図書館(通称ミッチェル図書館)所蔵のモリソン文書の調査、とりわけ日記の翻刻を中心に作業を進めている。