日本研究班

『岩崎文庫貴重書書誌解題』表紙

研究テーマ

岩崎文庫貴重書の書誌的研究(6)

研究概要

 東洋文庫所蔵の岩崎文庫には日本の文化・文学・言語を研究する上で重要な典籍が数多く所蔵されているが、その書誌的調査は未だじゅうぶんにはなされていない。1990年代以来、日本研究班は岩崎文庫の書誌調査を継続的におこなって書誌解題として公刊してきた。時代順に、おおよその分野ごとにまとめて、調査・報告を進めている。近年の成果は、

  •   2009年度刊行、『岩崎文庫貴重書書誌解題Ⅵ』(歌書を中心として、前半)
  •   2012年度刊行、『岩崎文庫貴重書書誌解題Ⅶ』(歌書を中心として、後半)
  •   2015年度刊行、『岩崎文庫貴重書書誌解題Ⅷ』(室町期絵本を総合して、付翻刻集)
  •   2018年度刊行、『岩崎文庫貴重書書誌解題Ⅸ』(芸能関係古典籍、および旧輯の補遺)
  •   2021年度刊行、『岩崎文庫貴重書書誌解題Ⅹ』(菱川師宣絵本特集、仮名草子)

である。『Ⅷ』の刊行に合わせて所載の室町期絵本(いわゆる御伽草子)を、岩崎文庫の画像データベース上にフルカラーで公開した。また、最新の『Ⅹ』輯では、岩崎文庫が所蔵する菱川師宣絵本を全冊デジタル撮影して、東洋文庫のメディア・リポジトリ上に画像公開した。

 2024年度には、『岩崎文庫貴重書書誌解題Ⅺ』として、岩崎文庫所蔵の浮世草子143点のうち(アイウエオ順での)前半80点について調査し、書誌解題を刊行する予定である。岩崎文庫所蔵の浮世草子には、西鶴の著作や、江戸時代中期の浮世草子の代表格「八文字屋本」が多数含まれている。とくに西鶴の著作については全冊デジタル撮影して、メディア・リポジトリ上に画像公開することを計画している。

つづく2025・2026年度には、浮世草子の後半の書誌解題の編集にかかる。

 今後も、インターネット上での画像や書誌解題の公開、および、東洋文庫ミュージアムと協力しての貴重書の展示紹介につとめる。また、それらを取り上げる公開講座の企画に参画したいと考えている。また、西鶴や八文字屋本の研究者の協力をあおぎながら、日本近世文学の若手研究者をアルバイトとして活用し、近世の版本書誌学に詳しい人材の育成を図りたい。

研究班メンバー