東北アジア研究班

安寧郷から丹巴(『清朝の史跡をめぐってⅠ―清朝全土篇―』)より

研究テーマ

清代満洲語文書及び収集資料のデータベース化の研究

研究概要

 東北アジア研究班満洲語文献研究グループでは、これまで清代満洲語檔案資料に関する研究に取り組み、「満文老檔」「満文原檔」「鑲紅旗檔」「内国史院檔」等の訳注・出版をはじめとする研究成果を公表してきました。現在も清朝檔案資料の研究を継続するとともに、国際的な共同研究や実地調査も実施しています。

 本研究グループの活動の柱は、第一に清朝・満族史研究の一環としての、清代満洲語檔案資料に関する研究です。清朝を知る際には同王朝の「国語」である満洲語文献の利用が不可欠であり、これまで「内国史院檔」をはじめとする基本資料の読解、ならびに公益財団法人東洋文庫に所蔵される「鑲紅旗檔」(鑲紅旗満洲都統衙門檔案)の調査・研究をすすめてきました。「鑲紅旗檔」は、雍正元(1723)年の衙門創立から清末まで約300年にわたる公文書群で、一つの衙門の文書がこれほどまとまって保存されているのはほかに例をみません。本研究グループは、この文書に対してすでに数多くの研究成果を公にしています。

 第二に、1980年以来、本研究グループ構成員が中国東北部、ロシア極東、モンゴルをはじめとする地域で実施してきた調査で得られた資料等の整理・研究です。調査で撮影した画像・映像類、現地で収集した資料(パンフレット、地図等)の分析と研究ならびにデータベース化の作業をすすめています。これら現地調査のデータは、清朝・満族史研究の進展に資するだけでなく、著しく変貌する中国やロシアの現代の記録としても貴重といえます。本研究の成果の一部として、これまでに『清朝の史跡をめぐって』と題する報告書を2冊出版し、同時にリポジトリを公開しています。

研究班メンバー