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Profile
高田時雄 たかた ときお
(1949年—)京都大学名誉教授。専門は文献学、敦煌学。1987年東方学会賞、1988年金田一京助博士記念賞。主な著書に『敦煌資料による中国語史の研究』(1988年)、『内藤湖南自用印譜』(2023年)。2022年から東洋文庫にて図書部長、2025年度より普及展示部長、ミュージアム館長を兼任。
東洋文庫は東洋学の研究図書館です。その起原は古く、三菱の第三代総帥である岩崎久彌がモリソン文庫を購入したことに端を発しています。ただモリソン文庫は欧米諸語で書かれた研究文献を主とするコレクションであったために、その基礎の上に漢籍や朝鮮・安南本、更にはインドや中央アジアなどのアジア諸語の文献を購入することで非常に多彩な文献を所藏するようになりました。久彌自身がその岩崎文庫を寄贈したことで、国宝や重要文化財級の貴重な文献も数多く所蔵しています。正式に財団法人東洋文庫として発足してから数えても、昨年に百周年を迎え、世界的にもユニークな存在として認められています。
その東洋文庫にミュージアムが設置されたのは2011年のことで比較的新しいことですが、一般社会に東洋学の存在と業績を知ってもらうために、当初から年に数回程度のテーマをしぼった企画展を開催してきました。展示の中心になるものは当然ながら東洋文庫が所蔵する貴重な文献・史料で、多くの方々にご来場頂いております。ここ数年来は、当館における展示にとどまらず、仙台や水戸、京都、長崎、金沢など国内各地で巡回展を行ってきました。
東洋文庫ミュージアムではまた、社会の各層に広く東洋学への関心をもってもらうため、展示以外にさまざまな試みを行っていますが、とりわけ小・中学生から高校・大学生など若い人々に向けた学習支援や普及活動を行っています。具体的には若年層に対する見学会を実施したり、大学の学芸員実習生の受入や、職場体験なども行っています。こういったさまざまな活動を通じて、東洋学という分野の存在が知られるようになれば幸いに思います。
東洋文庫ミュージアム館長
普及展示部長
高田時雄
ミュージアム開館カレンダー
ミュージアム
10:00〜17:00(入館は16:30まで)
毎週火曜日休館
Tel.03-3942-0280