さまざまなオリンピック

こんにちは!レモン🍋です。

今日、東京は朝から雨が降り、とても蒸し暑かったです。
一日の天気はどうなることか、とニュースを見たら、その他のさまざまなニュースと共に、とてもにぎやかに連日のオリンピックの関連のニュースが報道されていました。

ついに、東京オリンピックが開催されたのだな、という実感がありました。

私には、オリンピックに関して、印象深く記憶に刻み込まれているものがあります。
それは、試合の進行と共にだんだんと、白熱していく解説者、実況者の声です。
スポーツ選手達の運動する姿はもちろん記憶にあるのですが、それにも増して濃い記憶になっているものは、選手たちの試合、パフォーマンスを盛り上げ、共に泣き、共に喜ぶ、解説者、実況者の声なのです。
実際のスポーツを映像で見るのと同時にそれに対する声を聞くことができるのは、オリンピックなどの、テレビで放映されるスポーツの試合特有のものですよね。

高校時代、暑い中現地に応援に行った高校サッカーの観戦時には、当然解説や実況者の声はなかったです。しかし、代わりに、大きな声援と、楽器演奏、応援歌が会場内を飛び出して、周りを包み込むように響き渡っていました。

テレビのどこかから流れる、白熱した声は、涼しい部屋から試合を見ている我々の気持ちを高ぶらせ、スポーツ観戦の世界にいざないます。
あの声は、試合を見るにあたって、我々の感情に大きく影響している感じがします。

ところでわたしは、東洋文庫のすぐ近くにある素敵な本屋さん「青いカバ」で、こんな本を買いました!
千野帽子編『オリンピック』角川文庫です。
この本は、9名の作家による、オリンピックに関わる様々な短編のアンソロジーです。
アイリアノス、小川洋子、グルニエ、沢木耕太郎、田仲英光、筒井康隆、中野好夫、三島由紀夫、山際淳司らのものが収録されています。
9名の作家のオリンピックの切り取り方は、様々異なり、とっても面白いです。

特に私が好きなものは、小川洋子「ハモニカ兎」です。主人公の「男」の住む村では、何か特別な事の開催前に、日めくりカレンダーを設置するらしいのですが、「男」は、オリンピック開催までのカレンダーをめくる任務を任されています。
小川の小説に描かれるのは、華やかなオリンピックではありません。
オリンピックが開催されるまでの日々と、「男」がカレンダーをめくりながらたんたんと1日ずつ生きる中で起きるささやかな出来事です。私は、9つあるオリンピックに関する短編の中で、この小説に一番惹かれました。

9人の作家の中で気になった方がいる方、テレビを見すぎて、目が疲れた方、または、次の読書は何にしようか迷っている方、この「オリンピック」というアンソロジーをよんでみて、お気に入りのオリンピックを見つけてみるのはいかがでしょうか。

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